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2008年 07月 17日
本日(7月17日)に発売された久米田康治先生の『さよなら絶望先生』第十四集(講談社、420円)の随所に、先日来のサンデー問題が取り上げられています。この記事では、それをできるだけ掬い上げ、必要な箇所にコメントを加えたいと思います。
◎7月18日1000追記:畑先生、新條先生に関する事項について追記しました。これからも随時追加する予定です。 ◎7月20日1903追記:「改蔵」の第1話が元々カラーだった件について追記しました。 ◎7月18日1000追記 0 35頁3コマ目 第132話 単行本での小ネタ追加 35頁3コマ目 追加:羅列ネタの最後にこんな文が。 「・会った事ない人から突然よろしくと言われ、関係ないいざこざにまき込まれる。」 もちろん、サンデー問題で新條まゆ先生からこんなタスキをわたされたことを指しています。 新條まゆ先生:まゆたんブログ http://blog.mayutan.com/ 2008年06月09日 その後 http://blog.mayutan.com/archives/51398604.html ========== (前略) いろいろ、反響やメールもいただいておりますが、 語ることは語ったと思いますし ブログはファンのための情報やファンサービスの場にしたいと思っております。 これからは通常通り、楽しく、面白いブログに していきたいと思いますのでよろしくお願いします。 あとのことは久米田先生に任せるとして・・・(下線部引用者;以下略) ========== この件は、以前「サンデー問題における久米田先生関連の(ものと思われる)話題について」 http://nyontaka.exblog.jp/8082325/ という記事で紹介させていただきました。 ========== 1 37頁 第132話 単行本での描き足し まず、36頁に「触らぬ神に祟りなし」の「触らぬ神」が出現して……「触らぬ神」だから、やばい話題には触らぬ(=ただのチキン)、という流れにもっていきます。以下、36頁6コマ目以降のセリフを引用します。 ========== マリア:マリア 児童ポルノにてーしょくするからいなくなるって本当カ? 神:触らぬ神なので その話題には触らぬ マリア:金田一・コナン増刊ってタイトル名どっちが先かで もめたって本当カ!? 神:触らぬ 触らぬ神なので あびる:触ってるじゃない 話としては ========== これを受けて、単行本で描き足されたおまけ3コママンガでは: ========== 望:まさかこんな事態になろうとは…… 今 思えば 右頁の触らぬ話題なんてヌルかった 望:さすがに 裁判ざたには 神:さわら…… 望・神:ぬ ========== おやおや、やっぱりサンデー問題に触らないつもりなのでしょうか。 2 92頁 第136話 単行本での描き足し 136話は、「でも……」「でも……」と優柔不断でいつまでも愚痴を垂れる、という話でした。これを受けて、単行本で描き足された92頁を丸々使ったおまけマンガでは、作者(久米田先生)がテレビの秘密告白番組の様相で登場。進行役の千里ちゃんが白状するよう促します。 ========== タイトル:あの出版社を語る 千里:もう全部 ぶっちゃけちゃったらどうです? 作者:でも お世話になった編集さんもいるし 千里:でも つらいあつかいも受けていたんじゃないんですか? 作者:でも 元スタッフが 今 良くしてもらってるし 作者:………… 作者:でも オレの時はアニメにしてくれなかったし 作者:でも 連載一回目でカラーくんなかったし でも もう増刷してくんないし 千里:以上でーーす。 作者:でも こっち来て一枚5000円上がったし ========== 久米田先生のサンデー時代の話とマガジンにいらしてからの待遇の話がぶっちゃけられています。久米田先生の担当さんが全て酷い人ではなかったらしいことは、作品を通して読むと分かります。「改蔵」で紙面に登場する担当さんと全く登場しない担当さんが綺麗に分かれていますのですな。どちらがどっちかはまあ『かってに改蔵』全26巻を通して読んでいただく、ということで……あ、「でも もう増刷してくんないし」なんですね。弱った…… 「元スタッフが今 良くしてもらってる」というのは、もちろんサンデーの看板を背負って立つ畑健二郎先生。ここで良い事が描いてあると、次でどどーんと落とされます。 「連載一回目でカラーくんなかったし」は、これまでも度々ネタになっていましたが、今回巻末の紙ブログでさらに衝撃的な事実が明らかになりました。 「増刷してくんないし」というのは、ネットでよく言われていることを久米田先生がついにネタにされた感があります。毎週のサンデーにあるコミックスのラインナップの広告には『かってに改蔵』や『かってに研究しやがれBOOK』も「発売中」として載っていて、「書店店頭にない場合はご注文ください」なんて書いてあるのに、いざ注文すると「品切れ・重版未定」なんて返事が返ってくるのですな。実は、これは私がある時、ググッて見つけた十近くのオンライン書店から「改蔵」の後半の巻や『かってに研究しやがれBOOK』を注文して、実際に得た答えでもあります。 なので、これは元々重版なんぞする気がさらさらないのをわざと宙ぶらりんにして、印税も発生させずにおき、おまけに出版契約が他に移ることも防止して、とにかくその作家に何らかの印税収入が発生するのを阻止し、もって体よくその作家を潰す事を目的としているのではないかと疑わざるをえません。 →参考資料:雑誌対談における小学館編集の八巻氏の発言 「改蔵」の特に後半の巻や『かってに研究しやがれBOOK』が新刊で手に入りにくい・入らないのは、何も私の経験に限った話だけではなく、ファンの間では周知の事態となっています。(いつでもどこでもどんな巻でも新刊が買える、というお店をご存知の方、ぜひご連絡を! この文に対する反証となりますし、私のような遅れてきた久米田先生ファンにとって朗報となります。) 最後に、 「こっち来て一枚5000円上がったし」は、おそらく久米田先生のマガジン移籍後初めて明かされる情報です。サンデー時代の原稿料は、やはりマガジンよりも安かったんですね……これは、新條まゆ先生が最初に雷句先生にエールを送られた内容に関することをさらっと補強しておられる気がします。 参考:新條まゆ先生のブログの記事「まゆたんブログ 思うこと。」より http://blog.mayutan.com/archives/51397618.html ========== (略) これは心底、驚いて、我が目を疑い、何度も金額を確かめたのですが あれだけのすばらしい作品を生み出した雷句先生の原稿料が ありえないくらい安いです!!!!!これ、どういうことですか? (略) が・・・雷句先生ほどの方が・・・・これはあんまりです。 むしろ、このポイントだけでも、怒って当然です。 (略) ========== また、巻末の紙ブログでも、新條先生から渡されたタスキを見事に繋いでおられると思います。 3 150頁 第140話 単行本での描き足し 136頁で元アシスタントの畑先生について「サンデーでは良くしてもらってる」なんて書かれたその手で、こんな事を描いておられます。 畑先生が二人の声優さんにサンドイッチにされておられる写真を元にした絵で: ========== 畑先生(上辺):師匠にはお世話になりました 字幕(本音): 『踏み台終了――。』 ========== ◎7月18日1000追記: 畑先生と声優さんとの写真は、これが元になっています。左から、白石涼子さま、畑先生、伊藤静さま。 http://ryo-ko-pentan.img.jugem.jp/20080314_175239.jpg 声優の白石涼子さまのブログ「涼風」の記事「ハヤテの打ち上げ」 http://ryo-ko-pentan.jugem.jp/?eid=337 の中に出てきます。今年(08年)の3月上旬にあったアニメ「ハヤテのごとく!」の打ち上げでの一コマだとか。 ========== これを受けて(?)まだ久米田先生が「でも……」と告白しておられます。 ========== 作者:でも CM劇場にすらしてくれなかったし マリア:まだやってんのか ========== CM劇場というのは、かつてサンデーがテレビCMでやっていたものです。これに関して、当時作品のアニメ化を切望しておられた久米田先生は、「改蔵」最終26巻の巻末大反省文でこんなことを書いておられます。(220頁) ========== 帰ってテレビをつけると、「少年サンデー」のCMが流れていた。ああ、これがうわさのサンデー3億円キャンペーンか。この上戸彩ちゃんによるCMは、皮肉にも私が去ると同時に始まった。3億円…その1/100 でもあれば、サンデーCM劇場で…いや、もうそれは言うまい…今年の夏はとくに暑い。 ========== 『かってに改蔵』打ち切りの際のサンデー2004年34号の表紙は、上戸彩さんでした。 (マガジンで「絶望先生」が始まった2005年22・23合併号のときもそうです。) サンデーCM劇場は、元々は、1995年から始まった、連載作品の中でまだアニメ化されていない作品をテレビCM用にアニメ化して放送する、というコンセプトのサンデーCMのシリーズでした。こちらでラインナップを眺め、実際に視聴する事が出来ます。(一部が欠けているようです。) サンデーCM劇場 http://websunday.net/theater/ 意外なことに、「金色のガッシュ!!」編が残っています。「まんが家バックステージ」もそうですが、何か出版社とトラブルがあるとこの手のものは早晩サイト上から消される運命にあるので(例:久米田先生の「バックステージ」も連載終了後しばらくして消えました)、保存ができる環境の方はできるだけお早めにどうぞ。(「ガッシュ」公式サイトもいつのまにかなくなってしまいました。) 金色のガッシュ!! 2001年10月より放送 http://websunday.net/theater/movie/mp7_gash.asx 4 158~160頁 紙ブログ ここで久米田先生が、サンデー問題とご自身との絡みについて長文をものしておられます。これまでの紙ブログで一番の長文となっています。「改蔵」の25・26巻の巻末の文章に匹敵する勢いです。 ========== ◎7月18日1000追記:紙ブログの冒頭のイラストはこれです。 http://www.vipper.org/vip872689.jpg(リンク切れ) これは、新條先生の『覇王・愛人』3巻(フラワーコミックス、小学館、2002/06/26)の3巻に出てくるこの最初のコマが下敷きになっています。 http://www.vipper.org/vip872682.jpg(リンク切れ) これは雑誌に掲載された当時ずいぶん話題になったポーズですが(ライフルをバズーカのように構えている)、実は資料・時間を提供されないままの作画だったことが今回のサンデー問題で図らずも明らかになったようです。 ========== まず、去年、講談社漫画賞授賞式の二次会でご自身の生前葬をなさったことに触れ、今年がその一周忌だ、という話に持っていった後、故人(=久米田先生ご本人)の思い出を語るという文脈です。(引用は159頁冒頭より)長い長い引用となりますが、原文はその倍ありますので、何卒ご了承ください。 ========== (略) 当然、死者にムチャ振りした漫画家も地獄行きです。【引用者註:もちろん新條先生のことです。でもこの文章のおしまいで、久米田先生も無間地獄にいるとあるので……あれぇ!?】 (略) えー故人は生前、講談社で漫画を描いており、さらにその前は、小学館は少年サンデーで………。 語れというのか! この時期に!!せっかく忘れかけていたのに。屈辱に塗れたあの日々のことを! 死んでようやく安息の日々を手に入れたハズなのに。 おいおい、マジで語ったら、紙ブログ20巻までこの話だよ? 全部。まずいだろ、オレ的にも業界的にも。 またちょっと優位に立ったと思ったら、主語がオレになってしまいました。 最近、やたらと色んな出版社の人が訪ねてくるんですよ。ニヤニヤしながら。これじゃ売れっ子みたいじゃないですか! でも仕事の話はしないで帰るんですよ。 「例の件って本当なの?」って探りを入れてくるんです。正直僕は言いたいです。 ――その話、もう終わった! もう全部描いてあるハズです。どこかに。バックステージとか。紙ブログとか。マンガの中とか。みーんなネタ扱いするから悪いんですよ! 僕が訴えたらネタで。あの大先生が訴えたら裁判沙汰ですか。格差社会もここまで来たか。 いや、ネタならネタ扱いされて、失笑していただければ良かったものを。今回の一件は完全にネタ潰しじゃないですか。せっかく人が屈辱に耐えて、面白おかしく描いたのに、マジに捉えられたら笑ってもらえなくなるじゃないですか。 最悪です。 生き地獄です。いや、死んでいるんでした。無間地獄です。地獄先生ぬ~どです。いやいや、それは昔の話です。今は服着てます。 一周忌に故人の思い出を語っただけで、裁判沙汰に巻き込まれるなんて、故人が浮かばれません。焼け跡にさらに油を注がれて焼かれた感じです。遺灰も残りません。 読者にイタコの血をひく方がいたら、みんなに伝えてください。 「草葉の陰で僕が泣いている」と。 確かに連載第一回のカラー原稿が無くなったというのは大変なことです。 でも。元から無くすカラー原稿がない漫画家もいるんですよ。 連載第一回目が白黒スタートだった作品もあるんですよ。 いや、一回目のカラー原稿はありました。ただ、載ったときは白黒でした。 カラーで描いてたのに、白黒でした。 載っただけいいじゃん! カラーで!! いや、だから、故人の思い出を語らせないでください。 故人の供養のために、今回講談社は単行本に初めてカラーをつけてくれました。 供養なので、値段は据え置きです。もう思い残すことはありません。 やっと成仏できそうです。 あぁ、でもまだ僕、無間地獄にいるんでしたっけ。 こちらの無間地獄は、あちらの無間地獄より少し暖かいです。 ========== 「改蔵」の第一回の白黒原稿、あれ実はカラーだったんですね。←◎7月20日1903追記:この件については、『かってに研究しやがれBOOK』に掲載されている作者インタビューで、久米田先生が触れておられました。(113頁) ========== ――『改蔵』は最初、どういうコンセプトで? 新連載前に打ち合わせしますよね。 久米田 ええ、その時期に、学園モノっていうのが少ないっていうのと、ほとんどがスポーツモノ……サンデーでスポーツ漫画がすごい多かった時期があって、じゃスキマ産業でという。 同じジャンルでやっても無理だから、文科系で部活学園モノならスキマじゃないかみたいな。結構ヒドイ扱いで、白黒ページのスタートだったんですよ。一応色は付けてたんですけど、結局はカラーページにはならなくて白黒で。新連載なのに始まったかどうかもわからなかったですよ。 ========== 全体を通して読むと、かなーり遠回しにサンデーよりマガジンの方がいいぞ、と示唆されているようです。 さらに、紙ブログでは、『行け! 南国アイスホッケー部』の新書版コミックスには「ホーモ・アローン」というサブタイトルの回が普通に収録されているのに、後で出た「ワイド版」では載っていないこと、丸胴1話ボツになった話について述べてあります。(最後に、サンデー問題とは関係ないのですが、次のDVDつき単行本限定版の値段が3470円になった経緯を明かしておられます。) この長い紙ブログでサンデー問題がおしまいかというと、さにあらず。 5 カバー裏見返し 絶望文学集 単行本で必ずカバー裏見返しに載っている文学のパロディ「絶望文学集」。今回はヘッセの「車輪の下」のパロディ「社員の下」です。 ========== 一ツ橋の欄干の下にハンスが腰掛けていると 編集者が声をかけてきた。「おめでとう。連載が決まったよ。」 彼は勤勉な作家として、他の作家連中からは認められていたが、社員は彼を「三流」と罵った。真面目にやって会社に貢献すれば、社員と同等の扱いを受けられる……。そんなの大嘘だった。どんなに頑張っても所詮は雇われの身。漫画家は期間工となんら変わらない。どんなに足掻いても社員の下……。 「疲れきってしまわないようにする事だね。でないと社員の下敷きになるから。」 師匠が優しく声をかけるとハンスは言った。 「一緒にしないでください。この四流」師匠は社員の下の下だった。 ========== 「一ツ橋」・「編集者」など、あの会社を思わせるキーワードに加え、 「三流と罵った」・「漫画家は期間工」など、サンデー問題の流れを追っている方なら誰でも知っているキーフレーズが散りばめられています。 で、最後の最後で、このハンスは実はハタ(畑)先生だった、というどんでん返し! 150頁の内容とリンクしました。
by herolynQ
| 2008-07-17 12:24
| 「さよなら絶望先生」の感想
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