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2008年 06月 29日
大槻ケンヂ『大槻ケンヂ20年間わりと全作品』(K&Bパブリッシャーズ、本体2762円【特典CD付】)
![]() 以前コメントで教えていただいた本をようやく読了しました。とても面白かったのと、絶望先生に絡む話題もあるので、ここで紹介させていただこうと思います。長くなるので折り畳みます。 まず、この本のコンセプトを8頁から引用します。 ========== 88年にデビューしてから20年。その間に発表した作品についてつらつら語っていきますね。 ========== この語りに貴重な情報・エピソードがてんこ盛り、おまけに語り自体が滅法面白い。資料性の高い本でありながら、巻頭から普通に読み進めてもいいし、パラパラと頁をめくって目に付いたところから読み始めても大丈夫。読み始めのハードルが低いのはありがたい。 絶望ワールドに関連した文章があるのは次の3作品。掲載頁も添えておきます。 ★大槻ケンヂと絶望少女達 シングル 「人として軸がぶれている」 270~272頁 ★大槻ケンヂと絶望少女達 シングル 「空想ルンバ」 283~284頁 ★TVサントラ 『絶望大殺界』 288頁 大槻ケンヂと絶望少女達 「人として軸がぶれている」「空想ルンバ」 大槻ケンヂと木村カエレ 「豚のご飯」 収録 その他、ジャケット写真と簡単な覚え書きのみがあるのが次の3点。 ・DVD 『さよなら絶望先生 序 ~絶望少女撰集~』283頁 ・オリジナルサウンドトラック 『俗・絶望劇伴撰集』287頁 大槻ケンヂと絶望少女達 「人として軸がぶれている」「空想ルンバ」(いずれもテレビサイズ)収録 ・DVD『俗・さよなら絶望先生第一集』【特装版】 287頁 以下、大槻ケンヂさんの語りのうち、ここは!と思える箇所を引用しつつ、主に絶望先生関連の作品についてレポートします。 1 大槻ケンヂと絶望少女達 シングル 「人として軸がぶれている」 270~272頁 アニメの原作である久米田先生の漫画について、そしてそこから曲想を練っていく過程について、オーケンさんはこう語っておられます。(改行の位置を調整してあります) ========== 原作を読ませてもらったんだけど、ものすごくシュールでこれは天才が書いたなっていう漫画だね。 根幹にあるのは、太宰治の『人間失格』だろうかね。 じゃあ、歌詞は太宰でいこうと。 「踊るダメ人間」や「赤ちゃん人形」の流れだろうと。 ========== 原作の根底にあるものを正しく掴んでおられました。(『さよなら絶望先生』の根本に太宰があることは、久米田先生が「オトナアニメ」vol.6のインタビューで述べておられます。) また、「軸ぶれ」が「踊るダメ人間」や「赤ちゃん人形」の系譜に属するということは、かつて曲の発表当時にネットで指摘された方がいて、それが実証された形となりました。 そして、曲の着想を得た後、アニメを見ている層を一番の歌詞の冒頭に登場するような人に設定し、その人達に共感してもらえるような歌を書こう、と、対象を具体的に絞り込む様子を克明に語っておられます。 さらに、オーケンさんの歌にしてはキーが低いこと、同時期に復活した筋肉少女帯の曲より売れたことにも触れられています。 2 大槻ケンヂと絶望少女達 シングル 「空想ルンバ」 283~284頁 実は、曲名の案として「選択ルンバ」「俺の値段を誰が決めた」なんていう案もあったことが明かされました。 また、歌入れ時にナッキーさんから注文があったりして、この曲の歌詞が、オーケンさんとナッキーさんとの共作のような形になっていることが語られています。 注目すべきはここ。(284頁) ========== 今日、これからプラスワンで、「さよなら絶望先生」のイベントがあるんだけど、 250人キャパのあそこに応募が2000通来たんだって。 アニメってすごいね。これも筋肉少女帯のシングルよりセールスが良かったです(笑)。 ========== うおっ! 三月のあのイベントの前に語っておられたんですね。 3 TVサントラ 『絶望大殺界』 288頁 大槻ケンヂと絶望少女達 「人として軸がぶれている」「空想ルンバ」 大槻ケンヂと木村カエレ 「豚のご飯」 収録 この本のラストに紹介されているのがこれ。(なので、『賊・さよなら絶望放送』は含まれていません。)もっぱら「豚のご飯」について8行ほど語っておられます。最初の3行を引用します。 ========== 「豚のご飯」は、ナッキーが「スターリンみたいな曲」といって作ったこのアルバム用の曲。オーケンが木村カエレ役の小林ゆうちゃんとヂュエット……っていうか叫んでる。 ========== この後、「豚のご飯」というタイトルの由来が……小林ゆうさまとナッキーさんのやりとりに爆笑。 4 その他 その他、この本には数々のエピソードや他では滅多に見られなくなったジャケット・表紙の写真が収められていて、コアなオーケンファンにも満足できる内容になっています。また、この本を手引きとしてオーケンワールドに入門するのもいいかもしれません。 例えば、「新世紀エヴァンゲリオン」に出てくる綾波レイのしゃべり方のモデル(10頁)や、「元祖 高木ブー伝説」が無事発売にこぎ着けたいきさつ(21~22頁)、筒井康隆さんがオーケンさんの小説に触れたいきさつ(36頁)。 はたまた、「女王様ナナカ 同人誌版」の表紙(280頁)…… この本の付録がまた濃い! 「特典」として、次の4曲が収録されたCDが付属しているのです! ・「ロコ!思うままに」 ・「お別れの背景」 ・「Outsiders」 ・「おやすみ」 最後に要望をひとつ。 惜しむらくは、これだけ資料性に富む本でありながら、索引がないこと。試しに8・9頁から索引に載せ得る語を抽出すると、約50語ありました。本文が280頁分ありますから、……片手間で出来る分量には収まりそうにないですね。 重版されるか、文庫化の暁には、ぜひ索引が欲しいなぁ。 (とはいえ、音楽関係の労作といえる本の文庫化は絶望的……知っている唯一の例外が、山下洋輔さんの『風雲ジャズ帖』(音楽之友社→徳間文庫)です、はい) 値段からして、若いオーケンファンの方には勧めにくいのですが、上にもちょっと書いたように、文庫化がちょっと望み薄かもしれないのと、内容が素晴らしいので、思い切って買って損はしない、というか、きっと買って良かったと思えるのではないかしら。 ■
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by herolynQ
| 2008-06-29 21:36
| 雑文
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