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2008年 08月 19日
平たく言うと、小学館が自社媒体『週刊ポスト』誌8月29日号(18日発売)で、よりによって故・赤塚不二夫先生の追悼記事を使って、雷句先生に当て擦りのような記述をした、という話です。
まず、小学館と雷句先生との関係、いわゆるサンデー問題については、この記事の左側に表示されている記事へのリンクやまとめサイトをご覧いただければと思います。先月(2008年7月)28日午前11時30分より、東京地裁522号法廷にて、ガッシュ裁判の第1回口頭弁論が開かれました。以前書いた記事 【速報】サンデー問題裁判第1回、小学館「漫画原画の財産的な価値については『現在は明確でない』」 http://nyontaka.exblog.jp/8353996/ で紹介したとおり、この裁判にあたっての小学館側の主張については、この件の雷句先生の担当弁護士である小野先生のブログ「blabber」 http://lawyer-tomohikoono.com/に載っています。 【ガッシュ訴訟】第1回口頭弁論報告!...2008年07月28日 http://lawyer-tomohikoono.com/archives/2008/07/post_114.html ========== 小学館は、こちらが指摘した、紛失についての預かった原稿の余りにも杜撰な管理体制をも「認める」と答弁するなど、全面的に非を認める答弁をしてきました。また、雷句さんが紛失によって精神的苦痛を感じたことも認めてきました。 潔いというか、そう答弁するしかないというか、拍子抜けというか、何とも複雑な心境ですが、答弁そのものには誠意が見られたと思います。 なお、紛失された原画のポジフィルムは、近日中に小学館から直接返還を受ける手はずになりました。 答弁書の最後に、小学館側のまとめが付されており、以下のように書かれておりました。 「被告は、原稿返却ができないことの責任を争う意思はなく、合理的な賠償をしなければならないと考えている。しかし、漫画原画の財産的価値について一概にいうことができず、精神的苦痛に対する相当額の慰謝の判定も困難であって、甲8の2による被告の提案は必ずしも不合理ではない。裁判所のご意見もお聞きして早期に妥当な解決に至りたいと希望している。」 ========== (註:「甲」というのは、原告が裁判所に提出した証拠につける記号のようなものだということで……被告側が出すほうは「乙」がつきます。) さて、ここから本題。 18日に発売された『週刊ポスト』8月29日号(小学館、360円)に、今月2日に逝去された赤塚不二夫さんの追悼記事「追悼 赤塚不二夫とその時代 『私を貫いたあのギャグこの言葉』が載っています(166~168頁)。 故人の追悼に当たってさまざまなエピソード(およそ10ほどありましょうか)が記事中で披露される中、冒頭に近い部分で、よりによってこんなエピソードを記事にしているのです。 記事の冒頭第1段落で、赤塚先生の破天荒ぶりを示す短いエピソード「病室でも飲酒」「若い日のタモリに小遣いとベンツ」を2つ掲示した後に: ========== けれども、並外れた磊落さと同じくらい、柔らかく優しい心も抱えていた稀有の大人だった。 こんな話がある。漫画週刊誌の編集者が、あろうことか連載中の次回原稿をタクシーに置き忘れてしまったという。 締め切り目前。休載か、新人の原稿に差し替えか。ともあれ、上司をともない、急ぎお詫びに駆けつけた。 ところが、顔面蒼白の編集者に、 「もう一度書くよ」 と、こともなげにいった赤塚さんは、すぐにアシスタントらに連絡をとって早朝仕事の準備を整え、その編集者を飲みに誘ったのだ。責めるどころか、大失態を演じた相手を、まず気遣ったのである。 下書きなどを残していた赤塚氏は、翌朝から手早く仕事に取りかかり、第2稿を仕上げた。アイデアをひねりだすのに時間をかけるが、画稿を仕上げる早さ【ママ】は有名だった。 後日談がある。しばらくして紛失した原稿が発見され、編集者は平身低頭、赤塚さんに報告に行った。 戻った第1稿を手にした赤塚さんの一声がまた、ふるっていた。 「やはり2回目の方がうまく描けたな。これは君が持ってなさい。戒めとして」 第1稿は今も、その編集者の手元に保管されているという。 ========== 赤塚先生のご逝去のタイミングからして、この記事の締め切りは上記の第1回口頭弁論の後であることは間違いないでしょう。 口頭弁論の際には、上記引用文のとおり ========== 「被告は、原稿返却ができないことの責任を争う意思はなく、合理的な賠償をしなければならないと考えている。しかし、漫画原画の財産的価値について一概にいうことができず、精神的苦痛に対する相当額の慰謝の判定も困難であって、甲8の2による被告の提案は必ずしも不合理ではない。裁判所のご意見もお聞きして早期に妥当な解決に至りたいと希望している。」 ========== と陳述していながら、早速自社媒体で当てこすったかのような陰湿な文章を含ませるあたり、さすが小学館、大人の作る雑誌だなと思わざるを得ません。赤塚先生をめぐるエピソードはそれこそ数え切れないほどあるのは業界だれでもご存知のことです。各誌・紙の追悼記事でもいろいろなエピソードが紹介されています。 それを、よりによってこのエピソードを採用し、「けれども」という逆説の後で目立たせようとして持ってくるあたり、握手を求めながら足元では砂をかけたり脛を蹴ったりするお手本となっています。今こんなことを語る編集者の顔を見てみたいです。そして一晩じっくり語り明かしてみたいですな。手元の原稿を見て他に何か思うところはないですか、自社の抱えている裁判はご存じなかったのですか、それともご存知の上で今このエピソードを披露されるのですか、と。 願わくば、 「しばらくして紛失した原稿が発見され、編集者は平身低頭」 、雷句先生に報告に行って下さることを。赤塚先生には「いるじゃないですか。戻ってこないといって」うんぬんの発言をされたかどうかはこのエピソードには書いてありません。が、次に雷句先生に報告に行かれる際には、間違ってもそのような発言をなさらないように。
by herolynQ
| 2008-08-19 20:03
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