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2008年 07月 10日
(正式なタイトルは 『少年サンデー』を告発した「金色のガッシュ!!」雷句誠氏に訊く です) インタビュアー・ライターは七瀬恭一郎さん。記事の導入部分(102~104頁)が素晴らしい出来。「出版関係者」のコメントを交えつつ、この問題を良くまとめて丁寧に紹介してあります。初めてサンデー問題に触れる方が読むべきものとしてお勧めできる文です。 インタビューは、雷句先生の主張を順序立てて整理する形で進んでいます。これまですでに明らかになっていることもたくさんありますが、原稿料の話など、聞きにくいこともきちんと触れてあります。中には新たに明らかにされたエピソードもあり、大変興味深いものとなっています。ここでは、そうした部分を紹介したいと思います。詳細は、ぜひ雑誌の原文に当たることをお勧めします。 104頁下段以降に載っているインタビューでは、まず、問題が明らかになってからの反響、そして提訴するに至った経緯について改めて質問しています。陳述書や雷句先生のブログの内容と重なります。個人的になるほどと思ったのは次の箇所です。 カラー原稿紛失が「確定」し、小学館側が「補償金」などの金額を伝えてくるという文脈で: ========== ――それで、小学館サイドが提示してきたのがあの金額だったと。 雷句 「補償金」という意味不明の項目がなければ若干受け止め方の印象は変わっていたかも知れませんが、原稿を紛失した場合、白黒で10倍返しという噂を聞いていましたので、これではまったく話にならないと思いました。カラーで3倍なら、白黒だったら1倍じゃないかみたいな(苦笑)。 (後略) ========== 変な感想ですが、雷句先生が「10倍返し」を知っておられたのにほっとしました。小学館は、田村信先生には10倍返し(以上のこと+真摯な態度)をしておられたのに、雷句先生にはかなりの低額しか提示せず、おまけに真剣に詫びる態度を見せなかった訳です。 この後、自分が提示された金額で了承した場合の後に起きる事態への懸念に触れた後、賠償金が提示された前後の様子が明かされました。 ========== ――賠償金を提示された後、小学館サイドとの話し合いは? 雷句 賠償金の計算式がFAXで送られてきた時点で、担当編集者から「この金額は上の方ですでに決定されたことなので、変更の余地がないことをご理解ください」という主旨の連絡がありmしたので、それ以上話し合ってもムダだと思い、提訴に踏み切らせていただくことにしたのです。 ========== 「賠償金の計算式がFAXで送られてきた」は、おそらくここで初めて明らかになったのではと思います。 それから、雷句先生の原稿料そのもの、また準備金についての言及があります。ブログ、このインタビューとも一貫してご自身の通常の原稿料についての不満は述べておられません。準備金については先生のブログでは触れておられなかったので、該当部分を引用させていただきます。 ========== ――しかし、それでは生活するのがやっとという新人マンガ家も少なくないのではないでしょうか。 雷句 その辺は小学館も少し考えてくれているようで、週刊誌での連載が決まると準備金というのがもらえるんです。自分の場合は30万円でしたが、そのお金で仕事場用のアパートを借りたり、机やふとんなどを買ったり、アシスタントさんにも1回目の給料が払えるようにという配慮がなされているんですね。もっとも、何かと物要りが多くて30万円では全然足りないのが現状であり、自分の次の人からは一律100万円に上がったと聞きましたが(苦笑)。 ========== 準備金という制度の存在はこれまでも他のマンガ家さんが触れておられました。 この後、インタビューは、雷句先生と入れ替わりの激しい担当者との間で信頼関係が育めず、徐々に仕事ができないと思い詰めていく様子が述べられています。アシさんに怪我をさせた件も、ご自身から触れておられます。 そして、例の「問題の一言」について、こう答えておられます。 ========== ――雷句さんが、そこまで悲壮な決意を固めていたにもかかわらず、その気持ちがサンデー編集部にはまるで伝わっていなかったと。 雷句 ええ。もし少しでも私の気持ちが分かっていたら「いるじゃないですか、もうサンデーでは描かないと言って、また戻って描く人が」などという人を見下した発言は、口が裂けても言えなかったと思います。あれは本当に最悪の一言ですよ。編集者同士の噂話程度であれば、百歩譲ってまだ許される部分もあるのかも知れませんが、編集者がマンガ家に対して面と向かってそれを言うようになってしまったら、もうあらゆる意味で終わりなんですよね。そういうことがあった上での、あの金額の提示ですから、サンデー編集部に対してほとほと愛想が尽きると同時に、マンガ家をバカにするのもいい加減にしろと思いました。 ========== このあたり、陳述書の記述を補う上でも貴重な部分だと思います。実は、「いるじゃないですか、もうサンデーでは描かないと言って、また戻って描く人が」という発言は、このインタビュー(引用しなかった部分)ですでに一度触れられています。繰り返し触れざるを得ないくらいですから、雷句先生を裁判に踏み切らせたキーフレーズは間違いなくこのセリフであると思われます。雷句先生の先輩や師匠を当てこすった皮肉たっぷりのセリフは、逆に小学館にとって随分高い物に付いたのではないでしょうか。 さらに、大出版社を相手に一マンガ家が裁判を起こすのに勇気がいったのでは、という問いにこう答えておられます。 ========== 雷句 これがもし自分一人だけのことだったとしたら、このまますべてを胸に納めて、また他のところで新しいマンガを描かせてもらえばそれでよかったのかも知れませんが、若いマンガ家さんたちもひどい扱いを受けているという話を聞いていましたし、最後の担当編集者が、私のところへアシスタントとして連れてきた新人さんに対して、すごくひどい対応をしているのを実際にこの目で見ているんですね。寝ている時に電話がかかってきて、「お前、なんで寝てんだよ!」と頭ごなしに怒鳴りつけたり、普通の打ち合わせの席であるにもかかわらず常に相手を萎縮させるような高圧的な態度をとり続けたり。 何かもう無茶苦茶になってきてるんで、それを含めてすべてを表沙汰にしなければ、マンガという文化自体がつぶされてしまうのではないかと……。幸い自分にはなんとか生活していけるだけの蓄えがありましたし、裁判をすることで出版界から総スカンをくらうことになったとしても、その気になれば、作品は今後もインターネットを通じて発表し続けることができるわけですから、絶対にここだけは引いちゃいけないと思ったんです。 ========== 雷句先生の先輩だけでなく、アシスタントさん・新人にも同じ様な酷い有り様で接していたのですな、その担当編集は……雷句先生の「インターネットで発表」のくだりから、悲壮な覚悟が伺えます。 インタビューは、最後に先生の裁判への意気込みが語られて終わっています。記事はその後小学館側の言い分(公式HPに掲載されているもの)・雷句先生の提訴後の動きに簡潔に触れ、第1回口頭弁論の期日(7月28日午前11時30分より、東京地裁第522号法廷)を紹介して終わっています。 P.S.裁判そのものは、最初から丁々発止のやり取りがあるわけではありません(原則、書面主義です)。ですが、雷句先生が出席なさるとブログで明言されておられるので、お近くの方は、雷句先生を応援する意味でも、傍聴をお勧めします。
by herolynQ
| 2008-07-10 00:24
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